クラッチ油圧系オーバーホール
2023/10/11
TOP ONEではクラッチの油圧系のオーバーホールを行っております。
クラッチを動作させるには次の順序で行います。
1 クラッチペダルを踏む
2 クラッチペダルを踏むことによってマスターシリンダーに油圧を掛けます
3 その油圧は配管と通ってレリーズシリンダーに送られます
4 レリーズシリンダーはその油圧を受けシャフトを伸ばします
5 シャフトが伸びるとてこの原理になっているレリーズフォークを押します。
6 押されるとクッラチカバーのダイアフラムを押してプレッシャープレートを引き離します。
7 そうするとエンジンとミッションが引き離されシフトチェンジを行えるようになります。
クラッチの油圧系はこの2~4の項目を担っている大事な部分です。
この部分に支障がでるとシフトチェンジンが容易にできなくなり、車両を動かすことができなくなります。
※MT車両だけです。
そなる前にオーバーホール(以後OH)を施しましょう。
以下作業手順をご紹介しながらご説明いたします。
こちらはクラッチのマスタシリンダー。
エンジンルームの中のブレーキブースターの隣に設置されていることがほどんどですね。
(車両はS15 シルビア)
この車両はクラッチを踏むとスコット抜けて、ペダルを押したまま戻ってこなくなったそうです。
自分でペダルを戻して、何度か踏む、戻すを繰り返したら油圧が戻ってきたそうです。
心配になりご入庫されました。
フタを開けるとフルードがこんなに汚い。
長期間OHなどをしたことがない証でしょう。
こちらはレリーズシリンダー。
ミッションに取り付けてあり、レリーズフォークを押し込むようにセットされています。
車体から取り外したものがこちら。
下がマスターシリンダー、上がレリーズシリンダー。
油圧漏れが起こる箇所は以下の3点
1 マスターシリンダーの緑矢印部分。
ここのシールが油圧を保持できなくなると漏れてきます。
ココは室内になりますので左足がフルードで濡れている、
ペダルが濡れている、なんてなっていたらマスターシリンダーを疑いましょう。
2 レリーズシリンダーの赤矢印部分。
この中のシールが駄目になると漏れてきます。
下廻りを見てこの辺りからフルードが漏れているようであればレリーズシリンダーから漏れていますね。
またこのブーツが破れていたりすると中にゴミが入り込みシールを傷つけます。
漏れの原因となりますのでOHをお勧めいたします。
3 青矢印部分。
これはホースです。ここだけゴムホースでできていますので経年劣化で切れる場合があります。
純正に交換するか、社外のクラッチを使用している場合は金属メッシュホースなどに交換しましょう。
この画像は各シリンダーをばらしました。
ばらしてみると中身はシンプル。注射器の原理です。
マスタシリンダーは注射器を押し込み圧力を伝える、レリーズシリンダーには油圧が流れ込みピストンを伸ばす方向に押す。
戻るときは逆でダイアフラムによってレバーが押し戻される。レリーズシリンダーを押し込み油圧をマスターシリンダーに伝える。
マスターシリンダーはその油圧によって押し戻される。
こちらはマスターシリンダーのピストン。
このピストンは2段階でシールされています。
主に赤矢印でシールされているのですが、これが駄目になると緑矢印でフルード漏れを防いでくれます。
この車両が一度、油圧が抜けて、また復活したのはこの2段階があったからです。
この段階でOHしたのでクラッチ操作が不能になることなく無事お店までたどり着けました。
油圧が戻ったいいかな?なんて放っておくと2段階目もダメになり油圧が漏れます。
そうすると復活することは無いのでクラッチ操作が不能になりレッカー移動になるでしょう。
しばらくOH等していない上にペダルが戻ってこない症状があったら、ここが原因でなくてもOH
することをお勧めいたします。
袋の上に置いてあるものがOHキット。
主にピストン、バネ、ブーツですね。
この新品を中に組み込みます。
元に戻せばOK。
レリーズも元に戻しました。
最後にフルードを入れてエア抜きをしっかり行います。
これで踏む感触もずいぶんと変化するのでクラッチ操作が行いやすくなりますよ。
クラッチマスターシリンダー、レリーズシリンダーオーバーホール工賃
項目 | 料金 | 備考 |
---|---|---|
マスターシリンダーOH | 7,150円 | OHキットは別途 |
レリーズシリンダーOH | 4,950円 | OHキットは別途 |
上記両方ともOH | 10,450円 | OHキットは別途 |
※ホース交換も推奨いたします。
クラッチの油圧系のOHはTOP ONEへどうぞ!