SR20エンジンOH前分解、診断
2023/06/28
SR20エンジンOH前に分解、診断
TOP ONEではSR20のエンジンのオーバーホールを行っております。
既に初期型が発売されてから30年以上経過するSR20DE(T)エンジン。
酷使されているものが多く、エンジンの調子を崩していることが多いです。
ブロック、ヘッド共にメーカーからの支給は無くなり、
あるものを大事に使用することでしか存在し続けることができなくなりました。
TOP ONEではそのSR20DE(T)エンジンをできる限り長く乗り続けられるように
オーバーホールを実施しております。
長く愛されてきているエンジンですので、しっかりと動き続けさせることが大事です。
その前にエンジンを車体から下ろして分解、診断しなければなりません。
ユーザー様のエンジンがどのような状態になっているかを見極めてから
OH工程に入らないとせっかくのOHを生かすことができなくなります。
以下、画像でエンジンを下ろす、分解、診断までのご紹介を致します。
エンジン補器類を外して、ミッションを下ろし、エンジンクレーンでエンジンを持ち上げ車体から取り外します。
エンジンルーム内で接触、干渉などしないように慎重に。
無事に抜き出すことができました。
エンジンスタンドに搭載して、INマニ、EXマニを取り外します。
画像のオイル漏れはSRエンジンの致命的なところ。
フロントカバー、ヘッド、ブロックの3面が合わさる箇所の致命的なエンジンオイル漏れ。
こちらはエンジンを下ろして、3面全てばらして組み直さなければ、しっかりとオイル漏れを防ぐことが出来ません。
カムカバーをあけます。
このエンジンには多量のスラッジがこびり付いていました。
真っ黒ですね。
良いオイルで、こまめに交換していると、ここまでスラッジは付着しないのですが・・・。
OHでこの汚れもなくなるでしょう。
表面にだけ付着しているのであればさほど問題ではないのですが、
細い配管の壁面などに付着するとオイルの通り道を塞いでしまいます。
オイルを圧送できなくなるとエンジンブローにつながりますよね?
洗浄力のある良いオイルを使用したいところですね。
ヘッドとブロックを分離した画像です。
ブロックの上面のヘッドガスケットの残りカスをきれいに丁寧に剥がします。
シリンダー淵に溶解がないか、上面の歪みがないか、などなどたくさんの項目を点検します。
とくにSRエンジンはアルミブロックなので面の歪はしっかり診断しなければなりません。
こちらはヘッドの下面。
こちらもクラウン部分に溶解がないか、バルブ廻りに異変、ブロックとの当たり面に歪みがないかなど点検します。
こちらは先ほどの全面部分。オイルまみれですね。
このフロントカバーを開けるとようやくタイミングチェーンを取り外すことができます。
タイミングチェーンは容易に取り外せないのでこの時に交換しておきたい部品です。
ココもエンジンオイルが回ってくる部分です。よっぽどエンジンオイルが汚かったのですね。
SRエンジンの場合このフロントカバー側にオイルポンプが内蔵されております。
こちらはエンジンをひっくり返して、オイルパンを取り外したところ。
やはりオイルが回っているところはスラッジも回って、全体的に真っ黒ですね。
このエンジンは隅々まで清掃しないとだめですね。
さらにこの後クランクなどをブロックから外してシリンダーの径を測定します。
この数値がメーカーの基準値内であれば再利用可です。
ですが数値がオーバーするとシリンダーの形状を修正するためにボーリングをしなければなりません。
ボーリングをするということはシリンダー径が全体的に広がりますので
オーバーサイズのピストンに交換しなくてはなりません。
どんどん費用がかさみます。
過酷な状態で使用されているものが多く、
そうでなくても走行距離が伸びているエンジンが多いので
この径が純正基準値をオーバーすることが多くなりました。
ですがしっかりとココを見極めないと良いエンジンにならないでしょう。
こうやってエンジンを診断してようやく何をどのようにOHしていかなくてはならないのかが決まります。
ユーザー様が今後、車両をどのように乗って行くのかも加味しながらエンジンのOHの計画を立てます。
更にエンジンカスタムをされたいユーザー様向けに2.2Lキット、強化シリンダーライナー、
強化タイミングチェーンなどパワーアップさせるときの強化パーツやカスタムパーツもご紹介させて頂いております。
この先は OH、カスタムのページをご参考にしてください。
SR20DE(T)エンジンOH TOP ONEへどうぞ!!